Sydney, 2008年9月19日, AEST (ABN Newswire) - 米国連邦準備銀行による巨大保険会社 American International Group (AIG) の救済は、世界中の投資家の不安をほとんど和らげることはなかった。約7%下落した香港株式市場をはじめ、アジア市場は大幅に下落した。昨日のオーストラリア株式市場は、あらためて大打撃を受けた。S&P/オーストラリア証券取引所200銘柄の基準指数は114.9ポイント・2.43%下落し4,607.27、全株価指数は117.8ポイント・2.47%下落し4,651.89であった。

昨日のウォール街は、連邦政府が銀行の抱える不良債権を引き受ける組織を設立する可能性があるという報告を受けて、高めで取引を終えた。

Morgan Stanley がアメリカで4番目に大きな銀行 Wachovia と合併の話し合いをしているという憶測、そして Lloyd's TSB のイギリスの HBO (Halifax Bank of Scotland) 買収という懸念が投資家の心に伸し掛かっていると、アナリストは語る。

午前6時52分、シドニー先物為替の12月株価指数先物契約は、133ポイント上昇し4,800であった。

今日のオーストラリアドルは高めで取引を開始した。AEST午前7時のオーストラリアドルは、昨日の終値0.7986/90米ドルから上昇し、0.8045/50米ドルで取引された。

米国金融システムの混乱に対する深まる不安により、投資家たちが株式から第一次産品へ移行したため、石油価格は1バレルあたり100米ドル超へ再び押し上げられた。先にも、投資家たちが悪化する金融危機に不安を感じ、安全策として第一次産品へまとまって動いたため、取引は再び1バレル100ドルを上回った。

注目の経済事象と数値

オーストラリアの中央銀行は木曜日、銀行システムに対し4日目の特別資金注入を行い、今週の注入額は112億豪ドル(88億ドル)となった。これは国際的な信用下落のなかで資金的な圧力を和らげるためである。

減速する経済に刺激を与え、オーストラリアを国際的な経済の下落から保護するために、準備銀行は10月と11月に金利の引下げを行う予定である。しかし今週のウォール街の混乱により国際金融市場の悪化に対する懸念が高まり、オーストラリアの各銀行が今後の金利引下げによる効果を顧客へ十分に反映させないという状況が起こりうる。経済専門家も、今後12ヶ月の間でさらに2回の金利引下げを予測している。

National Australia Bank と オーストラリア株式投資委員会 (ASIC) は今日、銀行競争に関する調査のため下院経済委員会に出席する。

企業合併・買収ニュース

銅・金鉱業 Straits Resources Ltd (ASX:SRL) は不安定な市場現況のため、計画されていた同社の子会社 Straits Asia Resources Ltd の分割を進めない予定である。 Straits Resources は、親会社が金属生産に集中できるよう、同社の47%子会社である石炭鉱業者 Straits Asia Resources Ltd を10月中旬までに分割する計画を立てていた。

Macmahon Holdings (ASX:MAH) は、機関投資家やヘッジファンドが引き上げられた水準での受け入れを撤回したため、 Ausdrill (ASX:ASL) に対する敵対的買収入札を事実上断念した。 Macmahon は、月曜日の締め切りまでに届きそうにない同社の50%条件を取り下げることはないと語った。 Ausdrill 経営陣は、 Macmahon からの2株申入れを拒絶した。

重要企業ニュース

乱高下する金融市場により提起される課題に関わらず、 Suncorp-Metway Ltd (ASX:SUN) は同社の今会計年度売上げ見込みを再確認した。 Suncorp は同社の2008/09年資金需要の達成に向かっており、10億豪ドルを超える公債市場の私募が順調に引き受けられたと語った。8月の同社2007/08年決算報告において Suncorp は、同社銀行部門が2009年6月30日までの1年で税処理前利益と不良債権において一ケタ台後半の成長を記録するものと予測した。

St George (ASX:SGB) は、9月22日の月曜日から同行の1年間当初固定金利を0.15%ポイント引下げ8.54%へ、同期間の非当初金利は0.25%ポイント引下げ8.54%へそれぞれ設定する予定であると語る。

Telstra (ASX:TLS) は、同社がいわゆる「メディア・コム」企業になるという目標へ前進するべく、オンラインとモバイルコンテントを専門とする新事業単位を立ち上げた。 Telstra は昨日、800職の削減と共にその新事業単位について発表した。

BHP Billiton (ASX:BHP) は、 BlueScope Steel (ASX:BSL) と重要な10年間鉄鉱石供給契約を締結した。これは、オーストラリア競争消費者委員会が同社の Rio Tinto (ASX:RIO) に対する買収計画についての判断を下すと見られた時期まで2週間未満のことである。昨日発表された BHP と BlueScope 間の合意は、その鉄鋼メーカーに対する2019年6月までの鉄鉱石の供給が保証されたということを意味する。これにより、 BHP の Rio への入札に関するその競争規制組織の承認が前進するという可能性が出てくる。

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